スペック詳細

タスカム TM-180 ラージダイヤフラム・コンデンサーマイクロホン 単一指向性
発売日:2016年11月25日

●きらびやかな音質
レコーディングにおいて、「マイク」は音という空気の振動を電気信号に変えるという重要な役割を持ちます。
マイクの信号を増幅するマイクプリアンプ、デジタル信号に変換するADコンバーター、記録し音を加工するDAWソフトウェアなど、マイクより後段の機器もそれぞれ重要ですが、これらの機器はすべてマイクで変換された信号を扱うため、マイクのクオリティは楽曲全体に大きな影響を与えます。

自宅録音環境において手軽に高精細な音を手に入れるには、まずコンデンサーマイクを使うことからはじめましょう。
コンデンサーマイクは、一般的によく見ることのできるダイナミックマイクとは異なる構造を持ち、高精細できめ細やかな音質が特長です。
特に電気信号に変換するダイヤフラムという部分が大きなラージダイヤフラムと呼ばれるタイプは、それぞれ特色のある音を持っており、ボーカルなどのリードパートに適しているとされています。

TM-180は、TASCAM製品と接続してのレコーディングテストをクリアしたTASCAMマイクシリーズのスタンダードモデルで、きらびやかな音質が特長です。
加えて、録音中にマイクへの振動によるノイズ混入を防ぐ本格的なサスペンションが付属しています。

●ボーカルレコーディング
ボーカルレコーディングは、ラージダイヤフラムコンデンサーマイクの代表的な用途であると言えるでしょう。
US-2x2の場合は、ノイズの少なさを示すEINが-125dBuというハイパフォーマンスを誇るUltra-HDDAマイクプリアンプを搭載しており、音のない部分でも低ノイズのボーカルトラックを録音することができます。
ポップガードは別売りのTM-AG1を使用します。
自宅など、部屋の音響特性が優れていない場合は、アコースティックコントロールフィルターTM-AR1を使うことで、ドライで使いやすい音質を得ることができます。

●アコースティックギターレコーディング
ラージダイヤフラムコンデンサーマイクは、アコースティックギターにも適しています。
アコースティックギターの場合はマイクを複数使用するマルチマイクレコーディングも有効ですので、メインのマイクにはTM-180、オフマイクにはTM-80といったセッティングもお勧めです。
マルチマイクレコーディングを楽しむ場合には、4本のコンデンサーマイクを同時使用できるUS-4x4が適しています。
アコースティックギター単体ではなく、アンサンブルの中でアコースティックギターの音が必要な場合は、TM-180にTM-AR1をセッティングしたドライな音質が扱いやすくお勧めです。

●管楽器レコーディング
サックスやトランペットがリード楽器となる場合、これらのレコーディングにもラージダイヤフラムコンデンサーマイクが適しています。
セッティングはボーカル録音同様です。
よりシンプルなセッティングを好む場合は、iXRとiPadを使用した環境がお勧めです。
iXRはUS-2x2同様に低ノイズのUltra-HDDAマイクプリアンプを搭載しています。

●手軽に精細、高品位な音質が得られるコンデンサーマイク
TM-180 はコンデンサーマイクと呼ばれるタイプのマイクで、ライブで多用されるダイナミックマイクとは構造が大きく異なります。
空気の振動を受けて動く部分をダイヤフラムと呼びますが、ダイナミックマイクではこのダイヤフラムと一緒にボイスコイルが動く構造であるため部品が重くなります。
これに対しコンデンサーマイクはコンデンサーという電気部品の電極の一方がダイヤフラムとなっており、結果的に軽量となるため追従性が良くなり高精細な音質を得ることができます。
電気信号に変換する仕組みそのものが異なり、ダイナミックマイクでは電磁誘導によって発電し電気信号を得ているのに対し、コンデンサーマイクはコンデンサーの電極間の電位差を信号として取り出します。
このコンデンサーに電位差を与えるために、電源の供給が必要になります。

●大型 直径34 ダイヤフラム採用、リードパートが際立つ周波数特性
コンデンサーマイクはダイヤフラム部分の大きさによってラージダイヤフラムタイプとスモールダイヤフラムタイプに分類されます。
フラットな周波数特性と耐高音圧を特長とするスモールダイヤフラムタイプに対して、ラージダイヤフラムタイプは高感度、低ノイズ、かつ特徴のある音が得られます。
ボーカルレコーディングにおいてラージダイヤフラムタイプが多用されるのはこのためです。
TM-180 は大型の 34mm ピュアゴールドコーテッドダイヤフラムを採用しており、そのきらびやかな音が特長です。
また、TM-180 の周波数特性は、1kHz 以上において特徴的なカーブを示し、特に 9kHz 付近にゆるやかなピークを持っています。
この特性により、ボーカルやサックスなどのリード楽器を録音した際にくっきりとした輪郭が得られ、前に出る音が得られます。

●単一音源の録音に最適、狙った音を捉えやすい単一指向性
どの方向の音を拾うことができるかという特性を示したものがポーラーパターンと呼ばれるもので、TM-180 は単一指向性(カーディオイド)と呼ばれるパターンを持っています。
ボーカルなどの単一音源を録音する場合は、決まった方向の音を中心に拾うことができる単一指向性が適しています。

●低域減衰スイッチ装備、大音量楽器に対応できる-10dB PAD 装備
暗騒音をカットすることができる低域減衰スイッチを装備しており、重低音域が不要なパートの録音において非常に便利です。
また、打楽器などの高音圧楽器の録音にも使用できるよう、-10dB のパッドを装備。
ON にすることでより高音圧の楽器に使用した場合も歪まずに録音することができます。

●サスペンション、ソフトケース、ハードケースが付属
マイクをはさむタイプのサスペンションが付属。録音中の振動によるノイズを防ぐことができます。
また、ソフトケースとハードケースが付属しているため、収納や持ち運びも安心です。

機能一覧
・コンデンサー型マイクロホン
・カーディオイド (単一指向性)
・34mmピュアゴールドコーテッドダイヤフラム
・48V のファントム電源で動作
・サスペンション付属


【仕様】
形式:コンデンサー
指向性:カーディオイド
周波数特性:20Hz - 20、000Hz
出力インピーダンス:200Ω
負荷インピーダンス:1kΩ~
感度:-35dB +/-2dB (0dB=1V/Pa at 1kHz)
最大 SPL:130dB
S/N 比:79dB
コネクター:3 ピン XLR オス
ファントム電源:48V
外形寸法(W×H×D)mm:50×190×50mm
質量:420g(本体のみ)
付属品:サスペンション(ネジ径:5/8 インチ)、ハードケース、ソフトケース、5/8~3/8 変換アダプター