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メルカリ・エフェクトの経済効果は約752億円、リペア産業に追い風



 メルカリは7月31日に、全国のフリマアプリ利用者1032名を対象に実施した「フリマアプリ利用者における消費行動の変化」に関する実態・意識調査の結果と、そこから読み取れる周辺市場への経済効果を発表した。

メルカリの調査によると、フリマアプリが周辺サービス業界にもたらす経済効果は最大で約752億円にのぼるという

 調査によると、フリマアプリの利用前後で多くの周辺サービスの利用頻度・利用金額が増加。「利用頻度が増えた店舗やサービス」では、商品発送のための郵便局・コンビニ、包装資材を購入する100円均一ショップが上位にランクインした。意外にも利用者が多かった店舗としてあがったのが、家電修理店や洋服・アクセサリーの修理店だ。利用金額ではこれらの修理に関連するサービスが大幅に増額した。

フリマアプリの利用前後で周辺サービスの利用頻度・金額はいずれのサービスにおいても増加

 監修した慶應義塾大学大学院経営管理研究科の山本晶准教授は、「今回の調査で判明したのは、フリマアプリのユーザーは使用できなくなったものでも“修理”して出品するケースが増えているということ。“使用価値”ではなく“交換価値”を高めるため、修理という手段をとるようになってきている」とコメントした。

調査を監修した山本准教授は「“修理”という手段がフリマアプリのヘビーユーザーを中心に商品価値向上の施策として受け入れられつつある」とコメント

 発表会の後半には、山本晶准教授、メルカリの小泉文明社長兼COO、ミニット・アジア・パシフィックの迫俊亮社長 CEO、カルチャースタディーズ研究所の社会デザイン研究者・三浦展氏によるパネルディスカッションが行われた。テーマは「リペア市場への影響と消費者の変化」。

識者によるパネルディスカッションの様子

 シューズやバックなどのリペアサービスを展開するミニット・アジア・パシフィックの迫社長によると、「フリマアプリはリペア産業に大きく影響を与えている。店舗にはスマホでメルカリの画面を出して査定を受けるユーザーもいる。メルカリの出品ページにも『ミスターミニットで修理済』という記載を目にするようになった」と説明。とくに伸長している分野は時計で、フリマアプリの登場以降は約1.5倍の規模に成長しているという。

ミニット・アジア・パシフィックの迫社長は、フリマアプリ以後のリペア事業の変化を説明した

 カルチャースタディーズ研究所の三浦氏は長年、社会のトレンドを追ってきたが、フリマアプリによる波及効果を定年後の雇用にみる。「フリマアプリの需要からリペア産業が盛り上がれば、修理技能をもった定年世代の再雇用先になるかもしれない。また、元に戻すリペアだけでなく、カスタマイズなどクリエイティブな方向に進化する可能性もある」とした。

より大きな尺度での影響を推測するカルチャースタディーズ研究所の三浦展氏

 一方で中古市場の活性化は新品市場の成長を妨げることにならないかとの指摘もある。メルカリの小泉社長はこの見方に理解を示しつつも、「二次流通の価格が上がれば、一次流通の価格も上がっていくのではないか」と分析する。実際にフリマアプリで流通量の多いアパレル製品は、フリマアプリを利用している若い世代の新品購入時の価格が上昇しているというデータもある。「商品にストーリーがある生産者にとっては、フリマアプリの活性化は追い風になる。逆にブランド力のないアイテムは淘汰されていくかもしれない」(小泉社長)。

「ブランド力のあるなしで淘汰が進むかもしれない」と話すメルカリの小泉社長

 山本准教授からは、フリマアプリには「トライアル」の目的もあるのではないか、との指摘があった。まずはお試しで購入して、気に入れば新品を購入する。たしかに、そうした好循環は一次・二次、双方の活性化を促すかもしれない。今回の調査で明らかになったのは、リペア産業にもたらされたプラスの効果だったが、この波に押し上げられる分野、淘汰される分野は、どちらも存在するだろう。さながら「メルカリ・エフェクト」ともいえる現象は、これからますます鮮明になってくるはずだ。(BCN・大蔵 大輔)



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