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富士通の携帯事業は、「端末メーカー」の殻を破れるか



【日高彰の業界を斬る・14】 富士通コネクテッドテクノロジーズ(FCNT)は5月23日、ポラリス・キャピタル・グループ傘下となって初の記者説明会を開催し、高田克美社長が今後の事業戦略を説明した。

5月25日に発売したNTTドコモ向けの最新機種「arrows Be F-04K」

外資の傘下入りすると復活する国内家電事業



 一時期は大手電機メーカーの花形事業だった携帯電話だが、今や国内勢で残るのはシャープ、ソニー、京セラ、そして富士通だけ。そのうち、富士通は本業の情報システム事業に専念するため、PCは中国レノボ・グループ、携帯電話は国内ファンドのポラリスに売却した。

 NECのPC事業がレノボへ、シャープが台湾ホンハイ(鴻海精密工業)へ、東芝の白物家電事業が中国マイディアグループ(美的集団)へ、同テレビ事業が中国ハイセンスへと、もはや国内電機メーカーの事業譲渡はありふれたニュースになりつつある。

 これらのケースで、譲渡される事業体にとってのメリットは主に2点挙げられる。グローバルメーカーの傘下となることで、そのスケールメリットを活かし、部材の調達や生産能力の面で有利になること。そしてもうひとつが、日本のメーカー内では低収益事業と見なされ、製品開発や広告宣伝の優先度を下げられていたビジネスが、それを本業とする企業へ移ることで、再び積極的な投資に打って出られるようになることだ。

富士通コネクテッドテクノロジーズの場合は?



 FCNTの高田社長も「ポラリスのさまざまなノウハウと実績、経験を活かして、事業の拡大を目指していきたい」と述べ、新体制下で再び成長軌道に乗ることを目指すが、同社の場合、先に挙げた各社の例とは事情が大きく異なる。

サービス、ソリューションへのシフトを強調する高田克美社長

 譲渡先がスケールメリットの得られる事業会社ではなく、ファンド運営会社だからだ。携帯端末メーカーである同社にとって、ポラリス傘下となることのメリットはみえにくい。記者会見後、この点について高田社長に尋ねたところ、その答えは次のようなものだった。

 「携帯電話というプロダクト自体が成熟期を迎えており、日本の携帯電話事業者も、ハードにはこだわらず、サービスやソリューションにビジネスの軸足を移している。われわれはこれまで通信事業者とのビジネスが中心だったが、これからは異業種連携を拡げていかなければいけない。ポラリスはいろいろな事業に投資をするなかで連携のノウハウやチャネルを培ってきた。われわれにとっては貴重な知見だ。」

 ドコモ向けの端末では高機能機種の一角を担ってきた同社だが、ハイエンド機は2015年12月を最後に新製品を出していない。高田社長は、今後の成長の道筋として、端末事業よりもサービスや法人向けソリューションの可能性を強調していた。技術力そのものだけでなく、市場のニーズをくみ取る力や、顧客との関係性を強化する力が、ビジネスの成否を左右する分野だ。

 国内端末市場の台数が伸びない以上、端末の開発・製造だけではFCNT自体の存続が危うくなる。IoTや5Gで通信市場が盛り上がる向こう2~3年のうちに、新しい事業を形にしていくことが同社に求められている。(BCN・日高 彰)



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