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採用が進まない一因は「日程調整」にあり、サクッと調整できるツールで解決



 業界を問わず深刻な人手不足が続いており、多くの企業で人事部門は採用活動に忙殺されている。インターネットを利用した求人広告や採用支援のサービスは今や無数に存在しており、それらを活用することで採用担当者は多くの求職者とコンタクトをとることが可能になったが、実際に面接できる人数には限界があるし、採用担当者が応募者との連絡・調整といったオペレーションに忙殺されて、人事戦略など本来力を注ぐべき業務がおろそかになっては本末転倒だ。

 中小・スタートアップ企業向けの採用支援を行っている働き方ファームは、採用担当者向けの日程調整ツール「Skett(スケット)」を提供している。採用という大きな仕事の中で、応募者との日程調整はごく一部の作業に過ぎないようにもみえる。しかし、同社の石倉秀明社長は、日程調整は「採用活動においてすべての応募者との間で必ず発生している煩雑な作業で、かつITの活用によって必要な時間を限りなくゼロに近づけられる」業務だと強調する。

働き方ファーム 石倉秀明社長

 日程調整にかかっていた時間を削減できれば、人事部門の人数が少ない企業でも、より多くの応募者とスムースにコミュニケーションをとれるようになるし、採用担当者が本当にすべき仕事に充てる時間を拡大できる。

 Skettの機能と使い方は至ってシンプルだ。ウェブブラウザからSkettにログインすると、面接担当者の一覧が表示されるので、面接に参加する社員名と、面接に必要な時間(30分/45分/60分など)を選択する。すると、ウェブページのURLが一つ生成されるので、応募者にはこのURLをメール等で送信する。

面接担当者と時間を選択し、生成されたURLを応募者に送る

 応募者がURLを開くと、面接担当者全員の予定が空いている時間帯が社内の予定表から検索され、一覧で表示される。応募者がその中から希望の日程を選択すると、面接担当者の予定表に面接の予定が登録され、必要ならば会議室も自動的に予約することが可能だ。現在は社内の予定表に「Googleカレンダー」を使用していることがSkettの利用条件となっているが、ニーズが大きければ今後「サイボウズ」や「Exchange」にも対応する方針だという。

応募者が日程を選択すると、社内予定表には自動的に予定が追加される

 前職で、成長中の企業での採用担当をしていた石倉氏は「ほかの部署の人からは、『何で毎回そんなに面接の日時を決めるのに時間がかかるのか』と思われていましたが、採用活動では、自分以外の複数の人の予定を必ず調整しないといけないという特殊性があります」と話す。面接に関与するのは採用担当者だけでなく、役員や事業部門など幅広い部署・職位にわたり、しかもほとんどの場合、複数回の面接が発生する。その都度、関係者全員のスケジュールをすりあわせ、応募者との連絡を往復していると、応募者一人あたりに必要な調整時間は膨大なものになる。しかもこれらの作業が、応募者の数だけ発生するのだ。

 石倉氏によると「採用担当だったとき、午前中は丸々調整・連絡だけで終わってしまうという日を何度も経験しました。採用人数の多い企業だと、日程調整だけのためにアシスタントを雇用しているというケースが少なくありません」といい、数クリックだけで日程調整が完了するSkettを導入すれば、時間やコストの大幅な削減が期待できる。常に最新の予定表と同期しているので、メールのやりとりの間に予定が変わってしまうといった問題はないし、リスケジュールも人の手を介さずシステム上で完結できる。

 Skettは今年4月にリリースしたばかりだが、半年で120社以上に導入され、中小・スタートアップから大手までさまざまな企業の採用担当者によって活用されているという。提供形態は月額制で、登録できるユーザー(面接担当者)数によって異なる料金プランが用意されている。最小のプランは5ユーザーまでで、税別月額4900円。

採用業務に限らない一般ビジネス版も開発



 話を聞くと、確かに採用担当者の負荷軽減が期待できるツールだと感じられるが、日程調整という作業は採用活動の中だけに限らず、客先への訪問、得意先との会食、店舗運営であれば顧客の来店予約など、業態・業種を問わずあらゆるビジネスシーンで常に発生するものだ。

 「例えば、誰かと会食しようというだけでも、予定がなかなか決まらなかったり、都合が変わって何度も再調整したりして、会える日がずいぶん遅くなってしまったり、なんとなく気まずくなってしまったりすることがありますよね。その度にスマートフォンのカレンダーを開いて、チャットやメールで予定をすりあわせて、といった面倒が発生してしまう」(石倉氏)。

 そこで働き方ファームでは今月、Skettの機能をより幅広いユーザーが使えるようにした、いわばビジネス版のSkettに相当する「biskett(ビスケット)」をリリースした。「リモートで働く複数のエンジニアと打ち合わせをしようと、チャットで『何月何日はどうですか』と話していたときに気付いたんです。Skettの機能を使えば簡単に日程を調整できるのに、それを作っている自分たちが、打ち合わせ日のすりあわせに時間をとられていてはダメじゃないか。それならビジネス版のSkettを作ろうと」(石倉氏)

 biskettも基本的な使い方はSkettと同じだが、Skettでは1件の面接に対して一つのURLが生成されていたのに対し、biskettでは「打ち合わせ」「会食」など、目的に合わせたテンプレートを作成しておき、テンプレートごとにURLが生成される形態となっている。例えば、「打ち合わせ」用のURLにアクセスすると、昼休みを除く10時から18時の間で、他の予定が入っていない時間帯が日程候補として表示される仕組みだ。

目的別にテンプレートを作成し、異なる条件の日程候補を相手に表示できる

 予定を調整したい相手がbiskettのユーザーである必要はないが、もしお互いがともにbiskettを利用している場合は、両者の予定が共通して空いている時間帯がリストアップされるので、相手の返事を待たずに予定の調整を完了することも可能。biskettも利用は1か月単位で、1ユーザー用のPersonalプランは月額750円。ユーザー数が多いほど料金単価は安く設定されており、50ユーザーまでのPremiumプランは月額1万5000円(1ユーザーあたり最小で300円)となっている。

 biskettという名称は、「“ビ”ジネス版の“スケット”」というところから付けたものだが、ビスケットのサクサク感と、日程を「“サクッ”と調整できる」ことをかけてもいる。働き方が多様化し、ノマドワークやテレワークといったスタイルがより一般的になる中、離れた場所にいる人々の日程調整を楽にすることで、ビジネスのコアである『人と会って話をする』ということに、もっと集中できる環境を実現するツールになっている。(BCN・日高 彰)



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