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松阪屋とパルコが初連携、「上野フロンティアタワー」を地域活性の中核に



 J.フロント リテイリング(JFR)・大丸松坂屋百貨店・パルコは9月14日、記者会見を開催。松坂屋上野店南館跡地に、11月4日に開業する「上野フロンティアタワー」の概要と、周辺施設と連携したアーバンドミナント戦略について説明した。

11月4日に開業する「上野フロンティアタワー」を中心に周辺施設を「シタマチ.フロント」と総称して地域活性化を目指す

上野御徒町エリア全体の活性化を目指す新タワー



 かつては小売りの花形であった百貨店だが、近年は消費動向の変化やECの台頭で低迷を余儀なくされている。こうした状況を打破すべく、JFRグループが取り組んでいるのが、百貨店の次世代ビジネスモデルの模索だ。2017年4月に東京・銀座にオープンした「銀座SIX」を皮切りに、上野、渋谷、心斎橋で新たなコンセプトの商業施設を展開していく。今回の「上野フロンティアタワー」はその第2弾で、松阪屋・パルコ・TOHOシネマズ・オフィスが一体となった複合商業施設となる予定だ。

JFRが主導する四つのプロジェクト(左)と、その2番目にあたる「上野フロンティアタワー」のフロア構成

 銀座・上野・渋谷・心斎橋のプロジェクトで共通するのは、商業施設で完結するのではなく周辺施設と連携し、地域とともに成長していくというアーバンドミナント戦略だ。JFRグループが全国の大都市に保有している店舗資産と顧客資産を生かし、都市部にドミナントを形成することを目的とする。

 上野のケースであれば、「上野フロンティアタワー」を中心に「松阪屋上野店本館」や周辺施設を「シタマチ フロント」としてくくり、点ではなく面で上野御徒町エリア全体の活性化を目指す。

「上野フロンティアタワー」のイメージ(左)

 プロジェクトを主導するJFRの山本良一 取締役兼代表執行役社長は「異分子結合によって、単なる百貨店で得られないシナジーが生まれる。地域住民だけでなく新しい来訪者も受け入れることで、東東京のランドマークに成長させたい」と抱負を語った。

JFRの山本良一 取締役兼代表執行役社長

 JFRグループに属する大丸松坂屋とパルコだが、本格連携するのは今回が初めて。地下1階に出店する大丸松坂屋百貨店の好本達也 代表取締役社長は「相互補完することで新しい顧客の獲得につながるのでは」と期待する。隣接する「松阪屋上野店本館」も地域性をより明確に打ち出すべくリニューアルし、相互の送客体制も整えている。

大丸松坂屋百貨店の好本達也 代表取締役社長

中核テナントは新屋号の「PARCO_ya」、約60年ぶりに映画館もオープン



 1階~6階を占めるテナントの中核となるパルコは、東京23区内の出店は1973年の「渋谷PARCO」以来、44年ぶり。パルコの牧山浩三 代表執行役社長は「地域の特性を考慮し、従来の20代~30代の若い世代向けというイメージではなく、団塊ジュニア世代(30~50代)をターゲットにする『ちょっと上の、おとなの、パルコ』の創造を目指す」と新たなブランドイメージを説明。屋号には「PARCO_ya」という呼称を採用。「ya」には「yet another(=もうひとつの)」と、伝統や祭りを想起させる「~屋」という意味が込められている。

パルコの牧山浩三 代表執行役社長(左)と、新屋号「PARCO_ya」のロゴ

 テナントも特徴的で、合計68店舗の内、8割(52店舗)は上野御徒町エリア初出店、残りの2割(11店舗)は地元(台東区・文京区・千代田区)の企業で構成。飲食店フロアにも上野の名店が軒を連ねる。年間の取扱高は60億円を目標とする。

 7階~10階のTOHOシネマズ上野は8スクリーン(約1400席)体制で、全シアターに最新のヴィヴ・オーディオスピーカーを採用した。徒歩圏内にある秋葉原を意識し、アニメ作品にも注力する予定。上野御徒町エリアに映画館が出店するのは約60年振りとなる。12階から22階までのオフィスフロアはすでに満室とのこと。立地だけでなく、周囲に高層ビルがないことによる360°の開けた眺望も魅力だ。

オープン予定の「TOHOシネマズ上野」の館内イメージ(左)、22階フロアからの眺望(右)。上野公園の全景を見晴らせる

 9路線9駅からアクセス可能な上野御徒町は台東区最大のオフィスエリアであると同時に、年間およそ2700万人が来訪する観光エリアでもある。オフィスワーカーの生活に直結する拠点となるか、またアメ横や上野公園といった名所からいかに導線を敷けるか。19年に開業を計画する「渋谷PARCO」「大丸心斎橋店新本館」に弾みをつける意味でも、早期に成功事例として確立させたいところだ。(BCN・大蔵 大輔)



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