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USB Type-Cが真価を発揮、フィリップスの25型液晶ディスプレイ



 裏表のないリバーシブル仕様で、電源共有とデータ転送を同時に実現するUSBの新規格「Type-C」。2015年3月に発表したAppleの「MacBook」が採用したことで、次世代規格として認知が広がった。

 AppleのType-C以外のインターフェースを排除する試みは、画期的といえる反面、従来のUSB機器を使うには不便だとユーザーから不満の声も挙がっている。シンプルを追求したはずが、ハブや変換アダプタでMacの机の上は混線、そのままではiPhoneすら充電できないという状況だ。

 そこで、最新MacBook/MacBook Proユーザーの不満を解決する手段としておすすめしたいのが、USB Type-C対応の液晶ディスプレイだ。9月発売のフィリップスのUSB Type-C対応25インチ液晶ディスプレイ「258B6QUEB/11」は、最大100Wまでの電力をUSB供給できる「USB Power Delivery」に対応し、背面には3ポートのUSB3.0ハブを搭載する。

ケーブル1本で映像・音声・電源供給が可能。USBハブ機能も備えたフィリップスの「258B6QUEB/11」

そもそもUSB Type-Cとは? 新規格の特徴とメリット



 従来のUSBケーブルには、接続機器によって「Type-A」や「Type-B」など、形状の異なる規格がある。プリンタや外付けHDDなどのホスト側にはTypeA、もう片方のスマートフォンやタブレットにはType-B、といった具合に複雑で、使い勝手が悪かった。

 Type-Cは、こうした不便さやわかりにくさを解消するため、最大転送速度10Gbpsの次世代USB規格「USB3.1」と合わせて、新たに策定されたコネクタの「形状」に関する規格だ。

コネクタの裏表やケーブルの向きを気にせず使える、リバーシブルデザインのUSB Type-Cコネクタ

 上下左右対称のデザインで、コネクタの裏表やホスト側/デバイス側といった違いを気にせずに接続できる。さらに、ケーブル1本で映像・音声出力と電源供給が同時に可能だ。

USB Type-Cは、従来のUSB Type-A(左)より薄く、サイズはスマホ向けのマイクロUSB(右)とほぼ同じ

MacBookのシンプルな使い勝手そのままに機能を拡張



 「258B6QUEB/11」が便利なのは、画面表示と電源供給がケーブル1本というType-C本来のメリットに加えて、ディスプレイ自体がUSBハブの役割を果たし、接続した周辺機器や有線LANの信号も転送できる点だ。

新しいMacBookの接続インターフェイスはUSB Type-Cのみ。しかも、一つしかないため、ハブがなければ、iPhoneを充電することすらできない

 使い勝手を確認するために実際に接続してみた。テーブルの奥にディスプレイを設置し、その手前にMacBookを置いて、ディスプレイ付属のUSB Type-C-Cケーブルでつなぐ。ディスプレイには、別途、電源ケーブルを接続し、MacBookにはディスプレイ経由で給電(充電)する。

Mac側の電源ケーブルは不要。ディスプレイ経由で給電するため、机の上がスッキリする

 BluetoothマウスやBluetoothヘッドホンを組み合わせれば、ディスプレイとの接続以外はすべてワイヤレス。有線マウスやUSB接続の外付けHDDなどの周辺機器を使いたい場合や、モバイルバッテリなどを充電したい場合は、「258B6QUEB/11」のUSBポートにつなげばOKだ。

 USBだけではなく、ディスプレイにLANケーブルをつなぐと、有線LANのハブとしても機能する。この機能を活用すると、通常はWi-Fi、OSアップデート時や大量のデータをクラウドサービスにバックアップする際は、より高速な有線接続といった使い分けが可能だ。

ディスプレイにUSBキーボードとUSBマウスを接続。USB Type-Cで信号を送ることでMacBookで使えるようになる

 一点、注意が必要なのは、MacBook付属のUSB Type-Cケーブルは給電しか対応していないということだ。給電+映像・音声信号+周辺機器の信号+LANを1本のケーブルで伝送したいなら、「258B6QUEB/11」の付属品、もしくは市販のUSB Type-Cケーブルを使用する必要がある。

省スペースの25インチ ディスプレイとしての基本性能も充実



 画面サイズは25インチだが、ベゼルが薄く、設置スペースは23インチと同等。デスクにも問題なく設置できる。2560×1440の高解像度で視野角の広いIPS液晶なので、どの角度から見ても鮮やかにくっきり表示する。ちなみに解像度はMacBookとほぼ同じで、外部ディスプレイとして一緒に使っても違和感がないのもポイントだ。

高解像度で美しい画面。上部と左右のベゼルは非常に狭く、ほぼ全面ディスプレイだ。入力切り替えや、「オフィス」「ゲーム」「エコ」などのモード、音量などは、本体右下のアイコン部分をタッチして操作する

 本体には2W×2のステレオスピーカーを内蔵し、PCオーディオ入力/ヘッドホン出力端子も装備。また、上下左右の角度や傾き、ベゼルからテーブルまでの高さを調整できる独自の「SmartErgoBase」に対応する。USB Type-C以外の接続インターフェイスも豊富に備え、すぐに使えるよう、USB Type-A-CケーブルやHDMIケーブルなど、さまざまな接続ケーブルが付属する。

豊富なインターフェイスを装備。USB 3ポートは3基で、うちの一つは急速充電に対応する

 税別の実勢価格は5万7800円前後。2013年にフィリップスが日本市場に参入した当初から売りにしている本体や液晶パネル、バックライトの5年間の無料保証もつく。

従来のビジネススタイルを一新する可能性を秘めたType-C対応ディスプレイ



 Appleが今年11月に発表した新しいMacBook Proも、接続インターフェイスはUSB Type-Cと同じコネクタ形状のThunderbolt 3のみ。Macは、完全にUSB Type-Cにシフトした。また、高価格帯のフラッグシップモデルを中心に、Android搭載スマホやノートPCでも、USB Type-Cへの移行が進んでいる。

 日本でも、海外同様、ビジネス用途でWindows 10 Mobile搭載スマホが普及すれば、USB Type-C対応ディスプレイの需要は爆発的に高まるだろう。ディスプレイ、マウス、キーボードがあれば、ふだん持ち歩いているスマホで、すぐにオフィスと同じPC環境を構築できるからだ。扱いやすく、さまざまなメリットがあるUSB Type-Cだが、従来のUSBの置き換え以上に、入力端子としての可能性に期待したい。



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