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ハイアールの「尖った」洗濯機、AQUAブランドで斜めの洗濯槽



 ハイアールアジアは7月23日、冷蔵庫の開発拠点となっている埼玉県熊谷市のハイアールアジアR&Dで、AQUAブランドの洗濯機「スラッシュ」AQW-GT800と、縦型洗濯乾燥機「ツインウォッシュ」AQW-TW1000Dを使ったデモなど商品説明会を開いた。商品自体は6月下旬から発売されており、GT800はオープン価格だが税別実売で12万8000円前後、TW1000Dは同14万8000円前後となっている。ここでは、GT800を中心に取り上げる。

ハイアールアジアの「スラッシュ」AQW-GT800

 ハイアールアジアのアクアランドリーカンパニーランドリーグループの萩生田康一マネージャーは、「AQUAブランドには、くらしを、人生を大切にする人のために、本質的な課題をユニークな技術で解決するという、Authentic Question Unique Answerの意味が込められている。ちょっと毛色の違う商品、他のメーカーではあまり取り組まない面白いコンセプトを盛り込んだ商品を企画している」と語る。GT800も、そんな考え方から生まれた商品だ。

ハイアールアジアのアクアランドリーカンパニーランドリーグループの萩生田康一マネージャー

ターゲットは「イケダン家族」や「プラチナ世代」



 GT800がターゲットにしているのは「イケダン家族」やアクティブエルダーと呼ばれる「プラチナ世代」。イケダンとは「イケている旦那」の意味で、女性の社会進出に伴い妻の家事負担を減らそうと、そっせんして家事を分担して協力する旦那のことだ。

 GT800の開発では、多機能化に走るのではなく、普段、洗濯機の扱いに不慣れな男性でも簡単に使えるように、シンプルなデザインで、操作をわかりすくした。たとえば、ふたを閉めると複雑な操作ボタンが隠れて、デジタル機器でおなじみにの電源ボタンと再生・停止ボタン、運転時間だけが表示される。洗濯コースはあらかじめ妻が設定して、「イケダン」はボタンを押すだけなので、男性も洗濯作業に参加しやすくなるというわけだ。

ふたを閉めると複雑な操作ボタンは隠れる。デジタル機器でおなじみの電源ボタンと再生・停止ボタン、運転時間だけが表示される

 「プラチナ世代」に向けては、楽な姿勢で衣類を取り出しやすくするほか、泥汚れを落とすなどの洗浄力を第一の訴求点に掲げるのではなく、品質の高い衣服をいつまでも新品のように長く着たいというニーズにこたえるため、「やさしく洗う」ことにこだわった。

 洗濯槽を約10度手前に傾けた「スラッシュ・ドラム」は、腰を深く曲げなくても洗濯槽の中がすべて見えるので、とても楽に洗濯物が取り出せて、衣類の取り忘れも防げる。

手前に約10度に傾けた「スラッシュ・ドラム」。操作部を洗濯槽の横にレイアウトした

斜めの洗濯槽は三洋時代に採用



 斜めの洗濯槽を訴求する競合メーカーはあるが、実はAQUAブランドがハイアールアジアに継承される前の三洋電機では、10年以上も前の洗濯機で採用していたという。

 その後、残念ながら国内では見られなくなった。だが、実は三洋ブランドが強いベトナムだと、ずっと採用し続けられていて好評だという。もっとも、ベトナムでは洗浄力を第一の訴求点に挙げているので、洗濯コースなどのチューニングは日本とは異なる。それでも、ベトナムで脈々と受け継がれてきた技術やノウハウの蓄積が、あらためて今、国内の洗濯機に採用されたというのも感慨深い。

便利な襟や袖の予洗いスペース



 デザイン面では操作部や基板を思い切って洗濯槽の横にレイアウトしたので、大きくて広く、丸い投入口を確保している。衣類の出し入れがしやすくなるほか、Yシャツの襟や袖の部分を予洗いする洗剤を塗るスペースとしても活用できる。

 同社が調べたユーザーアンケートによると、予洗い洗剤を塗るための作業スペースがなくて困っていることがわかった。洗濯機のふたの上で作業していたり、中にはしゃがんで床にYシャツを置いて塗っているケースもあったという。操作部のレイアウト変更によって、新しい便利機能が生まれのだ。

手前のスペースで襟や袖の部分洗い洗剤を塗ることができる

 洗濯槽を斜めにしたことで、振動が小さくなって音が静かになったというメリットも生まれた。従来は4本の吊り棒で洗濯槽の下の4か所を吊っていたが、GT800では洗濯槽の奥を上の2か所から吊っている。洗濯槽を上下から吊っている構造になるので、モータや衣服の偏りによる左右の振動を抑えることができるのだ。

上下で洗濯槽を支えているので振動が抑えられる

斜めの水流が衣類を傷めずに「やさしく洗う」



 もちろん、洗濯槽を斜めにしたことで洗浄力もアップしている。槽内の水流を生み出すパルセーターを、従来の左右対称ではなく複雑な形状にした「スラッシュ・ウイング」を開発。これと斜めの洗濯槽が合わさって、水を上に持ち上げながら衣類を入れ替えさせる複雑な水流でしっかりと洗う。衣類の絡みあいが減ってほぐれるので、衣類が傷みにくい。洗浄力は従来よりも16%アップして、洗いムラは30%向上、消費電力量の9%の低減にもつながった。

従来のパルセーターとGT800の「スラッシュ・ウイング」(右)



「標準コース」を3つ搭載


 「プラチナ世代」向けの機能としては、標準モードを3つ搭載した。一般的に洗濯機の「標準コース」は、泥汚れや食べこぼしなどもしっかりと洗えるような、多くのユーザーが使うことを想定したコースを搭載している。しかし、プラチナ世代の中には、泥汚れはほとんどないので、布傷みがなく気に入った衣類をいつまでも長く着たいというニーズがある。

 そこで、GT800には「節水標準」「やさしく標準」「おまかせ標準」の3つの標準コースを搭載した。「節水標準」は業界トップクラスの節水性を追求するコースで、経済面を意識。「やさしく標準」は、まさに布傷みの抑制を意識したコースだ。水の量はほかのコースよりも少し増えるが、デリケートな衣類などを傷めることなく洗える。

「節水」「やさしく」「おまかせ」の3つの標準モードを搭載

 最近の衣類は「弱水流」や「弱水流かつネット使用」などの洗濯表示が多い。見た目は丈夫そうなポロシャツや綿100%のシャツ、カットソーでも、タグを見ると「弱水流」での洗い方を推奨している。そんな衣類を洗濯する際に、「やさしく標準」が最適というわけだ。

 最後の「おまかせ標準」はしっかり洗って、しっかりそそぐという一般的な標準コースである。旧三洋電機がもっていた斬新さが、ハイアールの製品に引き継がれている。世界で認められた製品は日本人にとっても、使いやすいに違いない。(BCNランキング 細田)

丈夫そうなポロシャツでもタグを見ると「弱水流」で洗うことを推奨している

「弱水流」での洗いをすすめるタグ




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